学会員のみなさま
編集委員会からのお知らせです。
すでに予告しておりましたとおり、論文の投稿をこれまでの郵送からウエブでおこなっていただくかたちに移行いたします。来春刊行予定の21号への投稿は、この学会ホームページの「機関誌・投稿フォーム」のページに設置されたリンク先からおねがいします。
また、これにともない投稿規定と執筆要項の一部を改訂しました。これもこの学会ホームページでご確認ください。新しい投稿規程・執筆要項は20号にも掲載しております。
Kansai Sociological Association
学会員のみなさま
編集委員会からのお知らせです。
すでに予告しておりましたとおり、論文の投稿をこれまでの郵送からウエブでおこなっていただくかたちに移行いたします。来春刊行予定の21号への投稿は、この学会ホームページの「機関誌・投稿フォーム」のページに設置されたリンク先からおねがいします。
また、これにともない投稿規定と執筆要項の一部を改訂しました。これもこの学会ホームページでご確認ください。新しい投稿規程・執筆要項は20号にも掲載しております。
『フォーラム現代社会学』第20号(2021)の目次は、以下の通りです。
○論文
子育て仲間を「する」―「よその子」に対する注意の会話分析―(戸江哲理)
草創期の近江学園における知能検査の実施とその影響―子ども観の社会史の視座から―(野崎祐人)
○特集 2010年代の政治と権力―何が破壊され、何が生まれたのか?
序文(奥村隆)
「鉄の檻」から「脆弱な殻」へ―官僚制の変容―(野口雅弘)
2010年代の政治をめぐる言説空間―イデオロギー変容と政治コミュニケーション―(倉橋耕平)
大都市の「草の根保守」は変わったのか―「大阪維新の会」の地域政治の社会学―(丸山真央)
2010年代の市民運動を振り返って
─「実感」から出発する政治参加と民主主義(西郷南海子)
○自著を語る
大会新企画の趣旨と経緯(工藤保則・岡崎宏樹)
『家族はなぜ介護してしまうのか―認知症の社会学』(木下衆)
『コモンズとしての都市祭礼―長浜曳山祭の都市社会学』(武田俊輔)
『イクメンじゃない「父親の子育て」―現代日本における父親の男らしさと“ケアとしての子育て”』(巽真理子)
『なぜ中国企業は人材の流出をプラスに変えられるのか』(中村圭)
『ポスト3・11のリスク社会学―原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか』(井口暁)
『ネットカフェの社会学―日本の個別性からアジアを開く』(平田知久)
『リズム(身体感覚)からの逃走―音楽の現象学的・歴史社会学的研究』(寺前典子)
○書評
武田 俊輔 著『コモンズとしての都市祭礼―長浜曳山祭の都市社会学―』(牧野修也)
神原 文子 著『子づれシングルの社会学―貧困、被差別、生きづらさ―』(三浦耕吉郎)
早川 洋行 著『われわれの社会を社会学的に分析する』(名部圭一)
水野 英莉 著『ただ波に乗る Just Surf―サーフィンのエスノグラフィー―』(小丸超)
渡邊 勉 著『戦争と社会的不平等―アジア・太平洋戦争の計量歴史社会学―』(吉川徹)
吉田 純 編,ミリタリー・カルチャー研究会 著『ミリタリー・カルチャー研究―データで読む現代日本の戦争観―』(山本昭宏)
岡崎 宏樹 著『バタイユからの社会学―至高性、交流、剝き出しの生―』(江頭大蔵)
○学会活動報告
○諸規定
○編集後記(早川洋行)
奨励賞選考委員会は、下記の3名の方々に奨励賞を授与することを決定しましたので、ご報告します。
今年度は10のすべての一般報告部会で受賞候補者がおられました。選考委員会ではその中から、司会者による評価と、それぞれの報告資料を確認し、下記の3名の方々に奨励賞を授与することが妥当であると判断いたしました。
選考委員の先生方、どうもありがとうございました。
2021.6.6
奨励賞選考委員長 谷富夫
下記案内が届きましたので、転記してお知らせいたします。
NHKでは、NHKアーカイブスの保存番組を研究用に利用していただくトライアルへの参加研究者を募集しています。
公募で採択された研究者は、東京ではNHK放送博物館・川口 NHKアーカイブス、大阪ではNHK大阪放送局の専用閲覧室で、ご希望の番組を研究用に閲覧することが出来ます。
○2021年度後期閲覧期間 2021年10月~2022年3月 (1組 30日間まで利用可)
※コロナ感染防止のため閲覧が延期・停止になる場合があります。
○募集対象者 大学または高等専門学校、公的研究所に所属する職員・研究者、大学院生
○募集締め切り 2021年8月6日
○募集研究数 放送博物館(6組)・川口 NHKアーカイブス(4組)・大阪放送局(2組)
応募要項等詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
高等学校の先生方へ
2021年6月5日(土)6日(日)に関西社会学会・第72回大会をオンライン(Zoom)にて開催します。
大会2日目(6月6日)の13:00〜16:00には、「社会学を高校生にも——〈市民〉を育てる実践」と題したシンポジウムを行います。
シンポジウムでは、「社会学の高校生との出会いは何をもたらすか」という問いを立てることで、〈社会学の未来/社会の未来〉を展望したいと考えています。
具体的には、高校教育で社会学の知見や方法を用いて授業を行っている教員の方と大学所属の社会学研究者の方からご報告いただき、参加者を交えて自由に議論していきたいと思います。
学会では高校教育の現場におられる先生方にもシンポジウムに積極的にご参加いただきたいと考えています。そして、社会学研究者が捉えられていない教育現場のリアリティなどについてお教えいただければ大変ありがたく思います。
シンポジウム(Zoom部会)にご参加いただける場合は、ご招待させていただきます。
ご希望の方は、研究活動委員会2021kansya〈アットマーク〉gmail.comまでメールで連絡いただけると幸いです。
折り返し、参加のための情報をお送りさせていただきます。
どうかよろしくお願いいたします。
関西社会学会研究活動委員会
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・2021年度第72回大会シンポジウム「社会学を高校生にも――〈市民〉を育てる実践」について
1.概要
・本大会は、2021年6月5日(土曜日)~6月6日(日曜日)にオンライン開催します。大会運営は研究活動委員会と開催校の大会実行委員会が協力して取り組みます。開催校は京都産業大学です。大会実行委員長の藤野敦子先生をはじめ、現代社会学部の皆様にご協力いただきます。
・大会当日は、京都産業大学のキャンパス(京都市北区)と「町家 学びテラス・西陣」(京都市上京区)に実行委員会の本部・拠点を置く予定です。
・現在、オンライン上に大会特設ページを構築中です。
・本オンライン大会に参加できるのは大会参加費を納入した会員および非会員です。
・本大会はウェブ会議システムZoomを活用して開催します。
・参加登録された方は、オンライン開催中の画面の録画・録音・スクリーンショット撮影をおこなわないことを承諾したものとみなします。
・各部会はオンライン(Zoom会議)でおこないます。一般研究報告(Ⅰ・Ⅱ)、「自著を語る~MY FIRST BOOK~」の報告者は、スライドやレジュメなどの資料を画面共有し、発表します。その後、参加者とチャットや音声で質疑応答をおこないます。
・ログイン情報やZoomによる部会のアクセス情報を他の方に伝えることは、拡散によって不正参加や「あらし」などが起きることを防ぐために、決してなさらないでください。
・オンライン開催にあたり、通信環境や通信機器等に不具合等が生じても十分なサポートができない可能性がありますが、ご容赦ください。オンライン発表に際して万一トラブル等が生じた場合も、関西社会学会はその責任を負いません。
・発表者・司会者向けに詳しいマニュアルを作成し、別途ご連絡します。
・このガイドラインは2021年5月6日段階のものです。状況等により一部内容が変更されることがあります。変更の場合は学会ホームページおよびメールで周知します。
2.参加者(聴講者)のガイドライン
・第72回大会では、すべての参加者が事前に参加登録と参加費の支払いをする必要があります。参加登録と参加費の支払いに関しては、学会ホームページ(2021年度第72回大会 参加登録・参加費支払いのご案内)をご確認ください。
・利用する端末に事前にZoomのアプリをインストールしておいてください。Zoomのアカウント作成は不要です。
【参考サイト】
Zoom公式サイト
ヘルプセンター
ミーティングテストに参加
・各部会、シンポジウム、総会は、開始時刻の10分前から参加者のZoom会議室への「入室」を開始します。
・Zoomによる部会に参加される場合、マイクは必ず「ミュート」にしてください。また、名前はフルネーム(所属先)で表記ください。
「名前の変更」をする方法
①画面下のメニューバーの「参加者」をクリック
②自分の名前上にカーソルを動かして「詳細」をクリック
③「名前の変更」を選択
④「フルネーム(所属大学)」などの表記に変更
・Zoom部会の質疑応答は、手を挙げる機能、チャット、音声でおこないます。具体的方法については司会者の指示に従ってください。
3.Zoomによる発表者のガイドライン
・大会当日は、できるかぎり静かでネットワークが安定している環境でご参加ください。当日使用しないアプリは終了しておくことを推奨します。
・部会には司会者、管理・モニター担当者、運営サポート(学生アルバイト)が配置されます。司会者は部会の進行を担当します。管理・モニター担当は、Zoomを管理しつつ部会を見守り、トラブルがあったときに対応します。運営サポートは部会運営が円滑に進むようにサポートします。
・報告者(発表者)はZoomの「画面共有」機能を使って資料を提示し、報告をおこないます。報告時間は25分・質疑応答は5分です。
・報告者が当日配布したい資料がある場合は、5月31日(月曜日)までに資料を研究活動委員会に送付してください。期日以降に作成された資料をオンラインストレージに各自でアップロードすることも可能です。また、当日の部会中にZoomのチャット機能を使って資料を共有することも可能です。資料に関するマニュアルは別途お知らせします。
・部会開始時刻の30分前から、司会者・報告者・管理・モニター担当者・運営サポートは事前打ち合わせをおこないます。打ち合わせは部会開始の10分前までに終了します。
・大会当日は、万一の場合に連絡が取れるように、携帯電話をお手元にご用意いただくよう、お願いいたします。緊急時の連絡方法は後日お知らせします。
4.オンライン発表における著作権について
・オンラインの発表における報告資料の著作権の扱いには十分ご注意ください。以下のサイトなどに情報がありますので、ご参照ください。
・「オンライン授業・オンライン学会における著作物の利用について」(澁川幸加)
・「日本文化人類学会 オンライン学会発表におけるコンテンツガイドライン」
5.報告要旨集について
・報告要旨集は、大会特設ページからpdfデータをダウンロードしてご覧ください。
・今年度は、紙媒体の要旨集の配布はおこないませんが、冊子を希望される方は5月25日(火曜日)までに研究活動委員会にご連絡いただければ、有料(1冊1000円:送料込)にて作成・郵送します。
・報告要旨集(有料冊子)の郵送を希望される方は、送付先・名前を明記のうえ、研究活動委員会までメールにてお申し込みください。
メールアドレス: 2021kansya〈アットマーク〉gmail.com
(メールを送る場合は、アットマークを@にしてください)
6.緊急時の連絡について
・大会の直前に病気や事故等やむを得ない事情で、発表をキャンセルする場合は、以下の研究活動委員会宛のアドレスにメールするか、あるいは、報告者・司会者向けに別途お知らせする緊急連絡用電話番号に連絡してください。
研究活動委員会メールアドレス: 2021kansya〈アットマーク〉gmail.com
(メールを送る場合は、アットマークを@にしてください)
謝辞
「オンライン大会開催のガイドライン」の作成にさいして、すでに開催された学会大会のウェブサイトや資料などを参考にさせていただきました。記して感謝いたします。
・「学会全国大会のオンラインでの試行開催の運用メモ」(日本教育工学会2020年度春季大会実行委員会(信州大学))
・「オンライン学会向けZoomマニュアルの公開」(澁川幸加)
・「日本文化人類学会第54回研究大会オンライン開催ポータル」
・「日本社会学理論学会第15回大会参加者マニュアル」
・「第93回日本社会学会大会 報告者向けマニュアル・一般参加者へのご案内」
昨年度に続き,今年度もオンライン開催になりますが,一般研究報告(Zoom会議)の他,シンポジウム「社会学を高校生にも――〈市民〉を育てる実践」,特別企画「学術誌のエートスとシステム――ソシオロジ200号刊行を記念して」,「自著を語る~MY FIRST BOOK~」,「招待講演&トークセッション 社会学と人類学の〈境界〉」(講演者:松村圭一郎氏,対話者:松浦雄介氏)など,多様な部会が予定されています。どうぞご期待ください。
大会に参加される方は事前に「参加者マニュアル(5月6日版)」をご一読いただけると幸いです。
ご質問等ありましたら,研究活動委員会(2021kansya〈アットマーク〉gmail.com)までお問い合わせください。(メールを送る場合は、アットマークを@にしてください)
大会参加申込がお済みでない方は,大会特設サイトから申込をおこなってください。
大会参加費は会員・非会員どちらも2,000円です。
支払はクレジットカード/銀行振込を選ぶことができます。
参加者のクレジットカードでの支払いは大会当日まで可能です(報告者は大会前日までに支払いを済ませてください)。銀行振込は6月3日(木)までの入金をお願いします。詳しくは学会ホームページ(2021年度第72回大会 参加登録・参加費支払いのご案内)をご確認ください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
関西社会学会研究活動委員長 岡崎宏樹
研究活動理事 都村聞人
2021年6月5日(土)・6日(日)にオンラインで開催される(開催校は京都産業大学)、第72回関西社会学会大会のプログラムをPDF形式で掲載します。
報告予定の方や参加を検討されている方は、下のリンクより内容をご確認ください。
・6月5日~6日に開催される第72回大会では、すべての参加者が事前に参加登録と参加費の支払いをする必要があります。
・参加申込は、下記の大会参加申込ページからおこなってください。
https://sv1.award-con.com/2021kansya
・大会参加費は会員・非会員どちらも2,000円です。
・支払はクレジットカード/銀行振込を選ぶことができます。5月31日(月)まではどちらの方法も選択できます。6月1日(火)以降はクレジットカード支払いのみとなります。
・銀行振込の場合は、事務局が入金を確認した後に正式登録がなされるため、手続き完了まで少し時間がかかります。クレジットカード支払いの場合は、オンライン上の手続きのみで登録が完了します(銀行振込より簡便です)。
・銀行振込の場合は6月3日(木)までに入金してください。参加者のクレジットカードでの支払いは大会当日まで可能ですが、報告者は大会前日までに支払いを済ませてください。
【大会参加申込の注意点】
(1)最初に「アカウントを作成」します。アカウント作成後でないとメールアドレスとパスワードによるログインはできません。
(2)アカウントを作成すると、すぐに仮登録のメールが届きます。すぐに届かない場合は、迷惑メール・フォルダに入っている(届いている)可能性がありますので、ご確認ください。
(3)仮登録を経て、アカウント作成が完了すると、アカウントを作成したのと同じ画面からログインします。先ほど登録したメールアドレスとパスワードでログインします。
(4)ログインできたら「関西社会学会」をクリックして、支払い方法を選択します。大会参加費は会員・非会員とも2000円です。
(5)銀行振込は、下記のゆうちょ銀行の口座にお願いします。
【他行からゆうちょ銀行に振り込む場合】
ゆうちょ銀行 四〇八(読み:ヨンゼロハチ)支店
支店コード:408
普通預金
口座番号:8012280
口座名義:カンサイシャカイガッカイ
【ゆうちょ銀行から振り込む場合】
四〇八(読み:ヨンゼロハチ)店
振込用の記号−番号:14040−80122801
普通預金
口座名義:カンサイシャカイガッカイ
(6) 領収書は大会特設サイトからPDF ファイルでダウンロードできます。大会特設ページは当学会がブランドコンセプト社に委託し構築します。クレジットカード支払いの場合、大会参加費はいったんブランドコンセプト社に集約されますが、集計後、当学会に払い戻されます。クレジットカード支払の場合、クレジットカードの支払先欄にブランドコンセプト社の記載が入りますが、大会参加費の支払い先は当学会です。
(7)わかりにくい点やご質問がありましたら、大会参加申込ページの「お問い合わせ」ボタンからご質問ください。研究活動委員会までメールをお送りいただいても結構です。(研究活動委員会:2021kansya 〈アットマーク〉 gmail.com)
(メールを送る場合は、アットマークを@にしてください)
*詳しくは添付の大会参加申込マニュアルをご参照ください。
*2021年5月12日追記:
関西社会学会第72回大会・参加登録システムについてのお詫びと変更のご連絡
関西社会学会第72回大会の参加登録システムにおいて、「敬称」を「Mr./Ms.//Dr./Prof.」から選択することが必須の設定となっておりましたが、これについて、参加登録をされた方から、不適切とのご指摘をいただきました。配慮が十分ではなく、参加者の方に精神的な苦痛を与えてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。
ご連絡を受けて「敬称」を必須項目から外すシステム変更を行いました。しかしすでにシステムが稼働しているので、「敬称」の項目を削除することはできませんでした。誠に申し訳ありません。
この件につきまして、お気づきの点やご意見、ご質問がありましたら、2021kansya<アットマーク>gmail.comまでご連絡いただければ幸いです。
どうかよろしくお願いいたします。
研究活動委員長 岡崎宏樹
司会:岡崎宏樹(神戸学院大学)
1.『ソシオロジ』のエートスとシステム 吉田純(京都大学)
2.『ソシオロゴス』のエートスとシステム 馬渡玲欧(日本大学・東海大学)
3.『The Sociological Review』のエートスとシステム 高橋薫(工学院大学)
コメント1.永井良和(関西大学)
コメント2.松谷実のり(追手門学院大学)
学術誌はどのような運営によってその理念を実現しようとしているのでしょうか。この特別企画では,社会学系学術誌のエートスとシステムに光を当てて,その現代的課題を多角的に検討します。
2021年2月,『ソシオロジ』通巻200号が,記念の別冊と共に刊行されました。別冊『ソシオロジ200号のあゆみ』は,記念号の寄稿文,歴代編集代表のエッセイ,総目次・執筆者索引,歴代編集委員・会計監査委員一覧表で構成され,『ソシオロジ』の創刊から現在までのあゆみを振り返る内容となっています。私たちは,この機会に,社会学系の学術誌の「これまで」と「これから」について話し合いたいと考え,この特別部会を企画しました。
関西社会学会と『ソシオロジ』は独特な関係にあります。関西社会学会は『ソシオロジ』が創刊される2年前,1950年に発足しましたが,長らく独自の機関誌をもっていませんでした。関西社会学会の会員と『ソシオロジ』の同人がかなり重複していたこともあり,『ソシオロジ』が実質的に関西社会学会の機関誌の役割を果たしていた時期があったように思われます。けれども,二つの組織がそれぞれ独自に発展するにしたがい,2002年,関西社会学会の機関誌『フォーラム現代社会学』が刊行されることになりました。それから20年の時を経て,『フォーラム現代社会学』は今年第20号を刊行するに至りました。こうした歴史的経緯をふまえて,いま一度,『ソシオロジ』と『フォーラム現代社会学』の関係を再考することは興味深い主題です。
しかし,学術誌の全体的状況に鑑みるとき,いま考えるべきは,二つの関係にとどまるものではないように思われます。『ソシオロジ』も『フォーラム現代社会学』も,特定分野ではなく,社会学全般の論文を扱う学術誌です。社会学の専門分化が進み,各専門学会の機関誌が刊行されるなかで,社会学全般を総合的に扱う学術誌が果たす役割は何なのか,改めて考える必要がありそうです。また,各学術誌に固有の査読システムが,投稿者――特に大学院生や若手研究者――の研究を支援するものになっているかを再検討するのも重要な課題です。学術誌の電子公開が一般化するなかで,冊子体を刊行する意義も問われています。近年は,欧米の電子ジャーナルの価格が高騰し,図書予算を圧迫するなか,日本語で書かれた人文・社会系の学術誌が従来のように図書館に安定的に購入されるかわからないとの指摘もあります。
特別企画は,こうした学術誌を取り巻く現状をふまえ,社会学系学術誌のエートスをどのようなシステムで実現できるのかを考える機会にしたいと思います。部会では,3名の報告者と2名のコメンテイターに登壇いただきます。
第1報告は,『ソシオロジ』前・編集代表の吉田純さん(京都大学)です。吉田さんは別冊『ソシオロジ200号のあゆみ』に,この雑誌の歴史を概観する「ソシオロジの現在・過去・未来」と題された貴重な文章を寄稿されています。
第2報告は,独自の編集システムで運営されている『ソシオロゴス』の元・編集長で,『社会学評論』の編集事務も担当された馬渡玲欧さん(日本大学・東海大学)です。
第3報告は,英国『The Sociological Review』の編集事務(Editorial Manager)を担当されている高橋薫さん(工学院大学,ロンドン大学PhD)です。
これらの報告を通して,私たちは,社会学全般を対象とする3誌の「エートスとシステム」を比較検討することができるでしょう。
3つの報告の後,『フォーラム現代社会学』編集長の永井良和さん(関西大学)にコメントしていただきます。永井さんは『ソシオロジ』の編集委員も経験されており,広い視野からお話いただけることと思います。
続いて,松谷実のりさん(追手門学院大学)に投稿者の立場からコメントしていただきます。松谷さんは,『ソシオロジ』投稿論文にて日本社会学会奨励賞(「論文の部」2016年)を受賞されています。当日は,若手研究者が投稿のさいに直面する困難について聞き取りした結果にも言及していただく予定です。
司会は,研究活動委員長で,『ソシオロジ』編集代表の岡崎宏樹(神戸学院大学)です。企画は,岡崎と工藤保則(研究活動委員,龍谷大学)がおこないました。ささやかな試みではありますが,この部会が,社会学系の学術誌の現状と課題について意見交換し,未来の展望を語り合う場になればと思います。
(岡崎宏樹:研究活動委員長,神戸学院大学
工藤保則:研究活動委員,龍谷大学)