2022年度第73回関西社会学会大会(オンライン開催)のご報告

2022年5月28日(土)~29日(日)、関西社会学会第73回大会は、新型コロナ感染症対策のため、オンラインで開催されました。参加登録者は約260名(会員・非会員を含む)と、多くのご参加を得ることができました(昨年度は257名)。

一般研究報告は11部会。オンラインの各部会では活発な議論が展開され、2名の報告者に奨励賞がおくられました(詳しくは関連記事をご参照ください)。

共催校企画「社会学を高校生にも2:実践編」では、大阪高等学校、立命館宇治中学校・高等学校、愛知県立岡崎高等学校の生徒の皆さんと担当の高校教員の方々にご報告いただきました。司会の山本晃輔さん(関西国際大学)が事前に発表のリハーサル指導を行い、本番に臨みました。高校生のフレッシュで充実した発表に対し、小川伸彦さん(奈良女子大学)、丹辺宣彦さん(名古屋大学)が社会学の視点からコメントされました。参加者は約70名。社会学と高校教育をつなぐ貴重な実践となったと思います。

3年目の開催となった「自著を語る~MY FIRST BOOK~」では、郝洪芳さん(ミシガン大学・日本研究センター)、サンドラ・シャールさん(ストラスブール大学)、松村淳さん(関西学院大学)が、司会の工藤保則さん(龍谷大学)と「最初の著書」をめぐって語りあい、編集者、参加者を交えて本を出版することの意義を協議しました。国際化したこの部会には35名の参加がありました。

招待講演には,岡野八代さん(同志社大学)をゲストに招き,「ケア/ジェンダー/民主主義」というタイトルでご講演いただきました。続いてシンポジウム「ケアから社会を構想する――ポストコロナの社会理論」を開催。コロナ禍で露呈したケアをめぐる社会問題に焦点を当て、ケアという視点からコロナ後の社会および社会理論を構想しました。報告者は、落合恵美子さん(京都大学)、山田陽子さん(大阪大学)、千種キムラ・スティーブンさん(早稲田大学ジェンダー研究所)、イト・ペングさん(トロント大学):動画による報告。後半部では、討論者の岡野八代さんから鋭い問題提起がなされ、ケアという視点からインターセクショナルな連関を可視化しつつ、ポストコロナの社会/社会理論に向けて議論が深められました。参加者は約110名。司会は岡崎宏樹(神戸学院大学)がつとめました。

共催校特別企画、自著を語る、シンポジウムについては次号『フォーラム現代社会学』で詳しくご紹介する予定です。

3年連続のオンライン開催となり、ご不便をおかけしましたが、関西国際大学・実行委員会のスタッフの皆様をはじめ、たくさんの方々のご支援により無事に大会を終えることができたことを大変うれしく、有難く思います。

今期研究活動委員会の任期はこれにて終了です。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

前・研究活動委員長 岡崎宏樹

 

*大会参加費の領収書は、大会特設サイトからPDFファイルでダウンロードできます。大会は終了しましたが、6月19日(日)までサイトを利用可能にします。マイページにて、氏(〇〇大学)、名(関西太郎)と設定すれば、領収書の宛名に大学名を入れることも可能です。なお、大会特設ページは当学会がブランドコンセプト社に委託し構築しました。クレジットカード支払いの場合、大会参加費はいったんブランドコンセプト社に集約されますが、集計後、当学会に払い戻されます。クレジットカード支払の場合、クレジットカードの支払先欄にブランドコンセプト社の記載が入りますが、大会参加費の支払い先は当学会です。

 

—以下は大会関連の告知内容の記録です—

 

 

関西社会学会第73回大会に関する情報を、お伝えします(2022年5月1日更新)。

2022年1月9日の理事会において,第73回大会は,新型コロナウイルス感染症対策のため,オンライン開催にすることが決まりました。ご協力くださいますようお願い申し上げます。

具体的には、以下の通りです。

*2022年5月1日更新:「大会プログラム」「参加者マニュアル」「参加登録・参加費支払いのご案内」「オンライン大会開催のガイドライン」「高等学校の先生方へ」「自著を語る~MY FIRST BOOK~」を追加しました。また、「招待講演「ケア/ジェンダー/民主主義」について」「シンポジウム「ケアから社会を構想する――ポストコロナの社会理論」について」「共催校(大会校)特別企画「社会学を高校生にも2:実践編」について」を改訂。