先端社会研究所では、2014年度のシンポジウムを次のとおり開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております(参加無料、事前申込は必要ありません)。
日時:2015年2月27日(金)13:00〜17:00
場所:関西学院大学上ケ原キャンパス 図書館ホール
タイトル:「グローバリゼーションの中の移民」
概要:
グローバリゼーションが進む中、国境を越えた人びとの移動がさまざまな形で注目を集めている。そこには、理念としての多文化共生社会への希望がある一方 で、現実には、移民排斥運動やヘイト・スピーチなど数々の深刻な問題が生まれている。本シンポジウムは、ヨーロッパおよび日本における問題状況について、 この分野を代表する3名の研究者からの報告をもとに、「グローバリゼーションの中の移民」に関する現実分析と理念的・規範的な観点からの考察とを深めてい くことをめざしている。
プログラム:
〈第一部〉
13:00 開会の挨拶
盛山 和夫(関西学院大学社会学部教授)
13:10〜15:10 各報告者の発表
宮島 喬氏(お茶の水女子大学名誉教授)
「移民の包摂と<他者化>とは何か――ヨーロッパの若干の国にみる三重基準から」
丹野 清人氏(首都大学東京都市教養学部教授)
「ニセ日系人問題から考える日本の外国人受け入れ」
二階堂 裕子氏(ノートルダム清心女子大学文学部准教授)
「『非定住型』外国人との連帯の可能性――ベトナム人技能実習生を事例として」
15:10〜15:25 休憩
〈第二部〉
15:25〜15:50 コメンテーターからのコメント
蘭 信三氏(上智大学総合グローバル学部教授)
陳 立行氏(関西学院大学社会学部教授)
15:50〜16:50 総合討論
16:50 閉会の挨拶
佐藤 哲彦(関西学院大学社会学部教授)
司会:今井 信雄(関西学院大学社会学部教授)
報告の概要:
宮島 喬氏(お茶の水女子大学名誉教授)
「移民の包摂と<他者化>とは何か――ヨーロッパの若干の国にみる三重基準から」
「移民」と「ヨーロッパ人」の関係は幾つかの国では内在化している(仏元大統領、現首相は共に移民二世)。しかし高技能移民を求める一方、新規移民には 同化に近い強い「統合」政策を適用し、結果的に「他者」をつくりだしている。また文化による差異化も「他者化」の一次元をなし、メディアが媒介する「イス ラモフォビア」も無視できない。独、仏、オランダを例にしつつ、日本の現状にも関わる意味も引き出したい。
丹野 清人氏(首都大学東京都市教養学部教授)
「ニセ日系人問題から考える日本の外国人受け入れ」
今日、日本政府は人口減少社会のなかでの少子高齢化対策の一つとして、外国人労働者の活用の拡大と移民受入れの必要性を議論しはじめているが、そこで は、これまで日本がどのように外国人労働者を受入れ、処遇してきたのかはほとんど省みられていない。本報告では、とくに日系人に焦点を当てて、入管行政の 中で彼・彼女たちがどのように扱われているのかという具体例から、日本の外国人労働者受入れで何が足りていないのかを示したい。
二階堂裕子氏(ノートルダム清心女子大学文学部准教授)
「『非定住型』外国人との連帯の可能性――ベトナム人技能実習生を事例として」
本報告では、滞在期間を制限された外国人労働者の事例として、ベトナム人技能実習生を取り上げる。彼/彼女らと日本人の間にいかなる関係が構築されてい るのか、またいかなる関係を構築することが望ましいのかについて検討しながら、今後の日本における社会的統合のあり方を展望する。
お問合せ:
先端社会研究所事務室 Tel:0798-54-6085 / E-mail: asr@kwansei.ac.jp