2018年度第69回大会では、若手企画部会「〈語り〉に着目した調査研究の課題を考える――〈病いの語り〉研究の検討を中心に」を開催します。この部会に関連した第四回打合せ会合(研究会)を、2017年12月21日(木)、龍谷大学梅田キャンパスにて開催予定です。事前申し込みなどは不要ですので、関心のある方はお気軽にご参加下さい。
以下、企画者である志水洋人氏の告知文を転載します。
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第四回打合せ会合(研究会)のご案内
- 日時:2017年12月21日(木)18:00~21:00
- 場所:龍谷大学梅田キャンパス(〒530-0001 大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウェスト オフィスタワー14階)
- 報告者:髙木美歩(立命館大学先端総合学術研究科)
- 事前参加申し込みなどは不要です。当日、会場に直接お越しください。
今回開催する第四回では、髙木美歩氏(立命館大学先端総合学術研究科)を招き、「自閉症者」の手記・伝記という形式の「語り」が、「自閉症」概念の変遷のなかでどのような意味をもつのか、欧米で出版された手記・伝記を素材に報告をいただく。
なお、第五回打合せ会合(研究会)では、企画者・報告者らが集まり、大会前のプレ発表を行う予定です。詳細が確定次第追ってご案内をいたします。
第69回大会若手企画部会:〈語り〉に着目した調査研究の課題を考える
――〈病いの語り〉研究の検討を中心に――
主旨:社会学では、調査対象者の〈語り〉、すなわち、何らかの物語性をもって述懐されるところのものや、述懐するというその行為は、いわゆる質的調査において重要な位置を占めてきた。本部会の企画者らが専攻する医療社会学においても、〈病いの語り〉研究として緩やかに括られる多くの研究が存在する。個人の経験の軌跡を分析単位とするこの視点は、医療社会学ひいては社会学一般に対して多大な貢献をしてきた。しかし一方で、こうした研究がしばしば「語りの特権化」(Atkinson 1997)をしているとする批判がある。具体的には、語られたものこそがその個人の「真の」経験を理解するための一段優れたデータとみなされたり、病いに関わる経験が自律的主体としての語り手による意味生成の側面に還元されその行為の社会的文脈が捨象されている、とする指摘である。このような指摘は、質的調査、とくにインタビュー調査に依る研究一般にも一定程度通底するような方法論的課題を提起している。本企画は、先行研究の検討と各々の登壇者の調査経験の報告を通して、上記のような批判に研究者がいかに応えうるかについて一定の道筋を示すことを一つの目的としている。(参考文献:Atkinson, P., 1997, “Narrative Turn or Blind Alley?” Qualitative Health Research, 7(3): 325–44.)
- 企画者:志水洋人・上野彩(大阪大学人間科学研究科)
- 報告者:未定(企画者を含む4~5名を予定)
- 主催:関西社会学会
- 協賛:医療社会学研究会・医療人文学研究会
以上。