2025年度第76回関西社会学会大会の情報

関西社会学会第76回大会に関する情報を、お伝えします。2025年度第76回大会は、摂南大学寝屋川キャンパスにて対面で開催いたします。

また、昨年度同様、第76回大会でも、参加申込を大会ホームページからの事前受付のみとさせていただきます。報告についても、大会ホームページからの申込となります。

具体的には、以下リンク先の通りです。

オンライン会員情報管理システム(clara)の運用開始

2024年10月18日(金)より、オンライン会員情報管理システム(愛称:claraクララ)の運用を開始しました。

https://clara-nacos.com/ksa/login

claraでは、会員ご自身で、所属機関や住所等の会員情報の変更や、年会費のクレジットカード決済、年会費領収証のダウンロードをしていただくことができます。

また、2024年12月初旬からは、会員相互検索も運用を開始します。

claraへのログイン方法は、2024年10月18日(金)午前に一斉メールにて配信しておりますので、会員のみなさまはご確認のうえ、claraからご自身の会員情報をご確認いただけますよう、お願いいたします。

特に、名簿(会員相互検索)に掲載する項目/掲載しない項目のご設定を、必ず2024年11月30日(土)までに確認・変更いただけますよう、何卒お願い申し上げます。

ご不明な点がございましたら、事務支局(ksa@nacos.com)までメールでご連絡くださいませ。

シンポジウムのお知らせ

以下のシンポジウムのお知らせが届きましたので、告知させていただきます。


日本学術振興会では、 大学等の研究機関を中心として、様々な分野における男女共同参画の取組に関するグッドプラクティス等の有意義な情報を提供するため、「男女共同参画推進シンポジウム」を開催しています。
第4回目となる今回は、「アカデミア×ジェンダー×グローバル 日本と世界のアカデミアにおけるジェンダーの現在地」というテーマにて開催いたします。
伊藤公雄先生による基調講演では、「誰一人取り残さない学術に向けて〜ジェンダーとインターセクショナリティの視点から〜」と題し、文化社会学やジェンダー論の視点から社会や学術研究の歴史と未来を考察します。第2部講演では欧州研究会議(ERC)からスピーカーをお招きし欧州の取組を紹介し、アカデミアにおけるジェンダーの重要性や今後について、グローバルな視点から考えていきます。
ご多用の折とは存じ、また直前のご案内となり恐縮ではございますが、関係各所へご案内いただくともに、ぜひ皆様お誘い合わせのうえご参加ください。
何卒お力添え賜れますようよろしくお願い申し上げます。

タイトル:JSPS男女共同参画推進シンポジウム「アカデミア×ジェンダー×グローバル ―日本と世界のアカデミアにおけるジェンダーの現在地―」
日時:令和7(2025)年2月27日(木)14:30~16:35【日本時間】
形式:オンライン開催(Zoomミーティング)
言語:日本語・英語(同時通訳あり)
参加費:無料
URL:https://cheers.jsps.go.jp/event/
(上記のウェブページからお申込みください。※先着順)

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第1部 基調講演 14:40-15:20 (質疑応答含む)
タイトル:「誰一人取り残さない学術に向けて〜ジェンダーとインターセクショナリティの視点から〜」
講演者:伊藤 公雄 京都大学・大阪大学名誉教授、(独)国立女性教育会館監事

第2部 欧州の現状と取組紹介(講演) 15:20-15:40(質疑応答含む)
タイトル:欧州の最新動向について “Inclusive Excellence in Europe”
講演者:Claudia Jesus-Rydin 欧州研究評議会(ERC)ERCEA Gender and Diversity Activity Groupコーディネーター

第3部 パネルディスカッション 15:50-16:30(質疑応答含む)
「研究に重要な男女共同参画について」
モデレーター:中野 亮平 北海道大学大学院理学研究院教授、JSPS男女共同参画推進アドバイザー
パネリスト:
伊藤 公雄 京都大学・大阪大学名誉教授、(独)国立女性教育会館監事
Claudia Jesus-Rydin 欧州研究評議会(ERC)ERCEA Gender and Diversity Activity Groupコーディネーター
甲斐 歳惠 大阪大学生命機能研究科教授、グローバルイニシアチブ機構学生交流部門長(総長補佐)

JSPS Symposium Flyer

第4回「関社インカレ博論セミナー(略称:KIDS)」(3月29日(土)対面・オンライン開催) プログラムと参加要領のご案内

今期研究活動委員会は、コロナ禍の2021年度から始めた「関社インカレ博論セミナー(KIDS)」を引き継いで、今年度も実施することにしています。そのプログラムが確定しましたので、ご案内いたします。この企画は、博士論文作成中の報告者が博論構想についての報告を行い、報告者が希望する他大学所属の教員がコメントして、その後フロアを交えてディスカッションするという、若手研究者支援と大学間の研究交流を目的として開始され、今回で4回目になります。今年度は、3月29日(土)に対面・オンライン(Zoomによるリアルタイム配信)併用で開催されます。会場は、関西学院大学大阪梅田キャンパス1408教室(14階)です。

参加は会員・非会員とも可とします(とくに、多くの院生のみなさんのご参加をお待ちしています)。参加希望者は3月27日(木)までに、下記のKIDS事務局メールアドレスに、希望者の氏名・所属・会員/非会員・メールアドレスなどの情報を付して申し込んでください。対面かオンラインかのいずれの参加にかかわらず、すでに申し込まれた方のほか、これから申し込まれる方には3月28日(金)に、Zoomのアクセス情報をメールにてご連絡いたします(Zoom情報は他の方に転送しないでください)。

KIDS事務局メールアドレス: ksa.dkids2024@gmail.com

また、このプログラムと参加要領については、各大学の院生メーリングリストなどで自由にご周知いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

関社インカレ博論セミナー(KIDS)プログラム(敬称略)

3月29日(土)10:45~15:30 司会:松田素二(総合地球環境学研究所)

【報告1】(10:45~12:00)

報告者:韓光勲(大阪公立大学 大学院文学研究科)

タイトル:関東大震災朝鮮人虐殺を記憶する――歴史家と人びと

コメンテーター:板垣竜太(同志社大学)

【休憩】

【報告2】(13:00~14:15)

報告者:朴洸弘(大阪公立大学 大学院文学研究科)

タイトル:元日本軍人のライフストーリー――韓国人研究者によるアクティブ・インタビューを中心に

コメンテーター:蘭信三(大和大学)

【報告3】(14:15~15:30)

報告者:範麗娟(関西学院大学 大学院社会学研究科)

タイトル:現代社会における宗族の社会的役割――武術における血縁的宗族と象徴的宗族を通じた観光資源化を事例として

コメンテーター:松田素二(総合地球環境学研究所)

関西社会学会若手企画 ② 「日本の近代を〈宗教的なるもの〉との関わりで考える――戦後の社会学者、思想家、文学者の残した可能性」 公開研究会のお知らせ

関西社会学会若手企画 ②
「日本の近代を〈宗教的なるもの〉との関わりで考える――戦後の社会学者、思想家、文学者の残した可能性」
公開研究会

日時:2025年3月29日(土)14時~17時
開催地:神戸大学文学部B132教室(視聴覚室)

主催:「日本の近代を〈宗教的なるもの〉との関わりで考える―戦後の社会学者、思想家、文学者の残した可能性—」研究班

招聘コメンテーター:出口剛司先生(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)

当日の研究会タイトル:
「近代日本の知識人は宗教をどのように論じたのか―贖罪・救済と鎮めの文化/原理主義とナショナリズムとの対比から」

概要:
近代日本の知識人は宗教を議論する際、戦争犯罪をめぐる贖罪と救済、人びとの欲望を鎮静化する「鎮めの文化」としての側面、あるいは原理主義やナショナリズムという対比のように、宗教の教義それ自体よりも、宗教が社会にとってもつ意味や機能が論じられてきたと言える。その際、例えば作田啓一は戦犯受刑者の遺書を通じてキリスト教と仏教における「罪」と「救い」を、大村英昭は仏教論において「煽り」と「鎮め」を、戦後の柳田国男は祖霊信仰論で「土着」と「制度」という対立軸をつうじて、この点を議論している。
そこで本研究会では、3人の報告者が、それぞれ、作田啓一の初期研究における”罪責感”に含まれる意味と可能性、大村英昭による浄土真宗論を通した「鎮めの文化論」、戦後の柳田国男が国家主義と対比させた民間の祖霊信仰論という3つの各報告を行う。そしてコメンテーターに、『作田啓一vs.見田宗介』(2016)で、作田社会学を同時代の知識人のテーマであった「近代の超克」と関連させ論じ、作田啓一『価値の社会学』の解説も担当した東京大学大学院人文社会系研究科教授の出口剛司氏を招聘する。最終的に、近代日本の知識人が宗教をどのように論じ、そこから何を得ようとしたのかを議論する。

報告者:佐藤裕亮(立教大学 教育研究コーディネーター)
報告タイトル:「初期作田社会学における”罪責感”の諸相」(仮)

報告者:松本隆(関西学院大学社会学部非常勤講師)
報告タイトル:「大村英昭「鎮めの文化論」再検討ー「中途半端」であることの見直し、原理主義への誘惑に対する戒め」(仮)

報告者:松野靖子(関西学院大学社会学研究科研究員)
報告タイトル:「柳田国男の祖霊信仰論ーナショナリズムとの比較」(仮)

一般参加可・事前予約不要
 
代表者:松野靖子(関西学院大学社会学研究科研究員)
お問い合わせ先 メール アドレス hzr31290@kwansei.ac.jp

『破壊の社会学』シンポジウムのお知らせ

関西社会学会会員各位

荻野昌弘教授退職記念『破壊の社会学』シンポジウムが、2025年3月8日13:30~16:45関西学院大学上ヶ原キャンパス 社会学部棟 202号教室にて開催されます。ご参加の方は以下のフォームからご登録ください。

https://forms.office.com/r/xPYxemjqU6

シンポジウムは事前登録なしでも参加いただけますが、会場準備等の関係から、できるだけ事前にご登録のほうお願いいたします。 なお、17:30 より阪急西宮北口駅にあるカプリシカにて懇親会(参加費5000円)も予定しておりますので、懇親会の出欠についてもご登録をお願いします。

懇親会場所
https://irishpub-capalluisce.com

何卒よろしくお願い申し上げます。
『破壊の社会学』出版準備委員会

出版記念フライヤー

2026年度第77回大会の若手企画募集について

研究活動委員会では、次の次の大会(2026年度第77回大会)時に、若手研究者がコーディネートする部会の開催を支援します。

この企画は、修士課程終了後、概ね10年以内の方が、プログラムの一般報告の時間に開催する、新たな部会を企画された場合、上限10万円の経費補助をおこなうものです。経費は、事前の打ち合わせの会場費、資料代(書籍代・コピー代)、当日学会員以外の方に登壇していただく際の交通費等に当てることができます。

若手企画の開催方法(シンポジウム、ワークショップ、ゲスト講演その他)や、準備のための研究会の運営方法(公開/非公開)や回数は、目的に沿うかたちで自主的に決めることができます。ふるってのご応募をお待ちしております。

企画の申し込み、お問い合わせは下記アドレス宛にEmailにてお願いします。関西社会学会ホームページ掲載の過去の若手企画部会記事もご参照ください。

①申し込みの際の電子メールの標題
「77回 若手企画 ○○○○(○の部分に氏名を記入)」
②申し込み記載内容
(1)代表者および参加予定者の氏名・所属・本学会会員/非会員の別
(2)若手企画のタイトルと概要(800字程度)
※上記(1)(2)の内容をWordまたはテキストファイルで作成し、メール添付にて提出してください。
※代表者は本学会会員とします。申請時点で非会員の場合、本企画への応募と同時に入会申し込みをお願いします。また参加予定者は応募時点で未確定でも構いません。
なお、部会への非会員の参加は、参加予定人数の半数を超えない限り可能とします。
③申し込み締め切り 2025年3月7日(金)17時
※企画の採否は2025年4月上旬開催予定の理事会で決定し、結果を同4月中旬にお知らせする予定です。応募者多数の場合、研究活動委員会で選考を行う可能性がある旨、あらかじめご了承ください。
④申し込み先
関西社会学会研究活動委員会E-mail: 2023kansya(アットマーク)gmail.com
※「2023」の箇所にお間違えのないようにご注意ください。
⑤備考
採択された企画については、研究活動委員との第1回の打ち合わせを2025年度第76回大会時(2025年5月31日)に開催する予定です。こちらもご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

(研究活動理事 梅村麦生)

2025年度第76回大会開催校シンポジウム(公開)・開催校企画展示について

今回は日曜日の午後に開催校シンポジウム「今、社会学教育に何が必要か」を企画しています。

近年、日本の学部の社会学教育では、単なる調査対象としてではない形で、社会と繋がりつつ社会学する実践、すなわち、市民活動や行政や企業とコラボしながら社会学教育する実践が拡がっている。この路線の背景には、本年11月に京都産業大学で開催された「日本社会学会100 周年記念講演会(ISA 会長のプレイヤー氏と東京大学名誉教授の上野千鶴子氏によるもの)でも示唆されたような20世紀社会学の歴史、すなわち、社会学のフロンティアがほぼつねに社会学化されていない市民社会の諸実践に対して社会学者が随伴者になることで切り拓かれて来たという成功史があるように思われる。だが、そのような20 世紀の成功体験があるからといって、現在の諸アクターとのコラボ路線が成功するとは限らないようにも思われる。そこで、まずは2 つの大学における社会学教育の今を丁寧に検討しながら、社会学と社会学教育の両方の未来展望を同時並行的に考えて行きたい、というのが、本シンポジウムの趣旨である。

具体的には、日本の学部教育での社会学教育の現在の課題と展望を探るために、「今、社会学教育に何が必要か」と題して、まずは、上野山氏(摂南大学)と岡崎氏(神戸学院大学)の両氏に、それぞれの本務校でのコラボ的な教育実践の実際を、具体性ある形でご呈示いただこう。

ついで、3人のコメンテーター(それぞれ、世代と専門のことなる3名である工藤氏、加戸氏、江口氏)から、両者の発表に関するコメントを述べて頂き、多角的に議論のフィールドを開いて行きたい。さらに、フロアからの発言を交えて、諸大学での実践の多様性も踏まえた議論を、関西社会学会のレガシーとなる水準にまで深めて行きたい。質疑応答時間を十分取る意図で、演題呈示者は2名に絞っているので、ぜひともフロアからも積極的な発言をお願いしたい。

報告者・タイトル(案):
上野山裕士(摂南大学) フィールド型アクティブラーニング(FAL)の実践から
岡崎宏樹(神戸学院大学)社会学の現在と社会学教育の現在-神戸学院大学での教育実践から
コメンテーター:工藤 保則(龍谷大学)、加戸友佳子(摂南大学)、江口 怜(摂南大学)
司会:好井裕明(摂南大学)、樫田美雄(摂南大学)

(大会実行委員会 山本圭三・好井裕明)

開催校企画展示:「万博とナショナリズム」
大会期間中、「万国博覧会が開催されることが、人びとにおけるナショナリズム的感覚に対していかに影響し得たか」という点を、様々な側面から検討できるような資料を展示することを考えています。具体的には明治期以降に開催された万博関連のポスターや配布チラシ、広告などなどを展示する予定です。

(大会実行委員会 山本圭三・好井裕明)

2025年度第76回大会シンポジウムについて

第76回大会シンポジウムは、「時間と空間のいま」を共通テーマとする2つのシンポジウムを準備しています。

シンポジウム1 「空間とコミュニケーションの変容:公私の境界線を問い直す」(仮)

近代社会は、公的領域と私的領域の空間的分断を前提として発展してきた。公私の区分は、都市計画から住宅設計に至るまで、私たちの生活空間を規定する基盤として今日もなお影響を保持している。一方、多様な生活様式の浸透やテクノロジーの急速な進展にともない、こうした画一的な空間設計を解体・再解釈する動きが各所で見られるようになった。建築の領域においても、「公—私」という二元論を超えた新たな構造やコミュニティ形成の実験が打ち出され、人々もまた、従来の空間規定を批判的に読み替えながら、新たな住まい方やコミュニケーション形態を創出している。本シンポジウムでは、こうした空間の変容とコミュニケーションの再編に注目し、公私の境界が揺らぎつつある現代社会に検討を加えていきたい。

このような変化のなかで注目されているのが、公でも私でもない中間領域的な空間の可能性だ。第三の場所とも呼ばれる「サードプレイス」の他にも、例えばコワーキングスペースやシェアハウスなど、働き方・暮らし方を柔軟に組み合わせることが目指されている場では、近代的な労働/家族の枠に収まりきらないコミュニケーションや関係性が生まれていることが期待されている。こうした空間が担う機能や意味合いは、地域社会との連動やオンラインツールの活用によってますます多様化しているだけでなく、コロナ禍を契機としたリモートワークの普及や外出制限が公私の境界をめぐる意識や実践を急速に変容させたことも記憶に新しい。こうした状況は、空間とコミュニケーションの関係について改めて問い直す好機ともいえよう。

そこで本シンポジウムでは、各報告が持ち寄る空間とコミュニケーションに関するフィールドでの知見を手がかりにしながら、近代社会の根幹をなす公私の区分を捉え直していきたい。空間が人々の行為に一定の方向性を与える一方で、人々のコミュニケーションや実践が空間を再編している。この両方向の動きに目配せしながら、フロアを交えて今後の可能性を論じ合う場になればと考えている。

報告者・タイトル案:
永田夏来(兵庫教育大学)                長屋暮らしから公私の区分を置き直す
松村淳(神戸学院大学)                    建築から考える公私の分離と再編
福澤涼子(第一生命経済研究所)    シェア住居の実践にみる公私の新しい接点
コメンテーター:牧野智和(大妻女子大学)
司会:平井晶子(神戸大学)

(研究活動委員 永田夏来・平井晶子)

 

シンポジウム2 近現代における「時間と社会」(仮)

時間は、近代そして現代社会の本質に迫るためのキーワードである。本シンポジウムでは、時間とは何かという哲学的問いではなく、時間がどのように社会を生み出し、変容させてきたのかを社会の一断面、日常の一場面、世界の一地域の現場と現実から報告することで、近代性・現代性の核心についての思考を一歩進めることを目的としている。

現代社会のあり方を論じるうえで、「時間」という契機を抜きにしては考えることができない。もとより近代化の初期にあっては、産業化と都市化、国民国家の成立、交通・通信網の伸長などとともに、時計時間やカレンダーの統一化、そして工場労働や公教育、軍隊などの場を中心とする時間規律の浸透が生じていった。

こうした近代的な「時間」の概念について真木悠介『時間の比較社会学』(1981年刊)は、一方での自然や共同体や他者による拘束からの「自己解放」と、他方での抽象化された時間概念や時計時間へのいわば“再埋め込み”による「狂気」という―真木の言葉でいえば、「時間からの疎外」と「時間への疎外」との―二重の契機をもたらしたものとして、描き出した。

そして時代が現代に近づくにつれて、さまざまな領域での個人化の進展、産業構造の変化と技術革新、とりわけデジタル技術のさらなる発展を受けて、必ずしも従来の時間規律には服されなくなった。しかし今日「タイパ」や「マルチタスク」が志向されているように、時計時間やカレンダーによる桎梏はむしろ強まっており、近代の時間的な「狂気」はとどまるところがない。

そこで本シンポジウムでは各報告より、まず近代的な時間概念が、社会に生きる個人の日常生活へと浸透していったより具体的な諸相を確認し、続いて近代的時間とは異なる時間が生きられていた社会の現実に注目し、異なる時間意識について考察する。最後に、近代的時間が転倒され止揚されるポスト近代の時間の生き方について検討し、今日における「時間と社会」の問題について、討論者とフロアを交えて広く議論をおこないたい。

報告者・タイトル:
右田裕規(山口大学)             「夜更し」の社会史
梅村麦生(神戸大学)               近代的時間形式としての「締め切り」
西井凉子(東京外国語大学)   死と情動:タイのフィールドから
伊藤美登里(大妻女子大学)   デジタル社会と時間
コメンテーター:多田光宏(熊本大学)、松田素二(総合地球環境学研究所)
司会:松田素二、梅村麦生

(研究活動理事 梅村麦生・松田素二)

2025年度第76回大会期間中の一時保育のご案内(事前エントリー受付) 

大会開催中、民間のシッターサービスに委託して託児を提供する予定です。利用に際しては事前申し込みが必要です。エントリーされた方に、後日、詳細(委託先への予約や利用料の支払の方法等)をご案内します。利用するかどうか検討中の方もエントリーしてください。ご不明点は大会託児担当までお問合せください。
(1) 託児の概要
対象年齢:生後3か月から小学生6年生まで (応募多数の場合は未就学児を優先します)
利用時間:大会初日が午後、2日目は午前・午後
利用者負担額:お子さまお1人につき1時間あたり1,000円(税込)
※託児サービスは学会として提供するものですが、その一部について利用者の方々にもご負担いただきたいと考えております。
※2日目の昼食は、保護者の方が引き取って一緒にお取りいただきます。
(2) エントリー期限:2025年4月9日(水)17時
※委託先への予約は利用者が直接行います。委託先への予約締め切りは4月30日(水)を予定しています。
(3) エントリー・問い合わせ先
大会託児担当・竹中
Email: yuji.takenaka(アットマーク)setsunan.ac.jp
※エントリー・お問合せの際、メールの標題は「第76回関西社会学会大会託児」としてください。

(大会実行委員会委員長 好井裕明)

2025年度第76回大会 参加登録・参加費支払いのご案内

2025年5月31日(土)・6月1日(日)に開催される第76回大会は大会参加申し込み、懇親会参加申し込みのいずれも事前申し込みのみで行います。当日受付はありませんので、締め切りまでに参加登録と参加費・懇親会費の振込をお願いします。大会2日目の昼食を希望される方は、それも併せて振込をお願いします。

事前申込は第76回大会ホームページから申し込みいただけます(2月1日より開始予定)。締め切りは5月15日(木)を予定しています。詳細は4月に郵送するプログラムに明記するとともに会員メーリングリストにてお知らせします。

①参加申込
(1)参加申込先:第76回大会ホームページ  https://kansya2025.award-con.com/
(2)大会参加費
*会員区分は大会開催時点(2025年5月)のものを選択してください。

<大会参加費>
一般(会員・非会員) 2000円
学生・院生(会員・非会員)  500円
常勤職にない会員   500円
<懇親会費>※希望者のみ
一般(会員・非会員) 3000円
学生・院生(会員・非会員)1500円
常勤職にない会員  1500円
<大会2日目の昼食(お弁当)代>※希望者のみ
全カテゴリー一律 1000円
(3)支払方法:クレジットカードまたは銀行振込
*銀行振込の場合は、事務局が入金を確認した後に正式登録がなされるため、手続き完了まで少し時間がかかります。クレジットカード支払いの場合は、オンライン上の手続きのみで登録が完了します(銀行振込より簡便です)。
(4)参加申込締切:2025年5月15日(木)(予定)

②申込手順
(1)最初に「アカウントを作成」します。アカウント作成後でないとメールアドレスとパスワードによるログインはできません。
※一般研究報告・「自著を語る」申込でアカウント作成済みの場合、すでに登録したメールアドレスとパスワードでログインできます。なお、前回大会以前に作成されたアカウントはご利用いただけません。新規の作成をお願いいたします。
(2)アカウントを作成すると、すぐに仮登録のメールが届きます。すぐに届かない場合は、迷惑メール・フォルダに入っている(届いている)可能性がありますので、ご確認ください
(3)仮登録を経て、アカウント作成が完了すると、アカウントを作成したのと同じ画面からログインします。先ほど登録したメールアドレスとパスワードでログインします。
(4)ログインできたら「参加登録」をクリックして、支払い方法を選択します。大会参加費は会員区分選択後に表示されます。懇親会費、大会2日目の昼食代をお支払いいただく場合も、該当する区分にご入力をお願いいたします。
(5)大会参加費、懇親会費、大会2日目の昼食代は、表示された合計金額をまとめてお支払いください。領収書は別々に発行されます(領収書のダウンロード方法は、下記をご覧ください)。
※なお、大会参加費・懇親会費・大会2日目の昼食代とも、払い戻しには応じられませんので、あらかじめご了承ください。
(6)銀行振込は、下記のゆうちょ銀行の口座にお願いします(支払い方法で「銀行振込」を選択した場合、参加登録受付後に自動返信されるメールにも振込先情報が記載されています)。銀行振込が学会事務局によって確認され次第、「銀行振込確認・参加登録完了のお知らせ」がメールで届きます。
【他行からゆうちょ銀行に振り込む場合】
ゆうちょ銀行  四〇八(読み:ヨンゼロハチ)支店
支店コード:408
普通預金
口座番号:8012280
口座名義:カンサイシャカイガッカイ
【ゆうちょ銀行から振り込む場合】
四〇八(読み:ヨンゼロハチ)店
振込用の記号−番号:14040−80122801
普通預金
口座名義:カンサイシャカイガッカイ
(7) 領収書は大会ホームページからPDF ファイルでダウンロードできます。大会ホームページは当学会がブランドコンセプト社に委託し構築します。クレジットカード支払いの場合、大会参加費はいったんブランドコンセプト社に集約されますが、集計後、当学会に払い戻されます。クレジットカード支払の場合、クレジットカードの支払先欄にブランドコンセプト社の記載が入りますが、大会参加費・懇親会費の支払い先は関西社会学会です。
(8)わかりにくい点やご質問がありましたら、大会参加申込ページの「お問い合わせ」ボタンからご質問ください。研究活動委員会までメールをお送りいただいても結構です。

研究活動委員会:2023kansya 〈アットマーク〉 gmail.com
(メールを送る場合は、アットマークを@にしてください。「2023」の箇所にお間違えのないようにお願いいたします。)

(研究活動委員長 平井晶子)

2025年度第76回大会「自著を語る~MY FIRST BOOK~」の申込について

① 趣旨

関西社会学会は、若手研究者の活動を支援する取り組みに力を入れています。そのため2020年度大会から新たに企画されたのが「自著を語る~MY FIRST BOOK~」です。
この企画のねらいは、研究者の最初の著書に光を当て、そのさらなる可能性を引き出すことや、若手研究者の交流を促進することにあります。「若手」は年限で区切るものではありませんが、博士論文などを元とする初めての単著を出版したケースについて広く参加を募りたいと考えています。著者には、本の内容紹介だけでなく、執筆プロセスや今後の展望などを語っていただきます。
部会の内容は、機関誌『フォーラム現代社会学』の特集で紹介されます。自著の魅力を多くの方に知ってもらう機会になるかと思いますので、ふるってご応募いただければ幸いです。
なお、こちらの応募は一般報告と重複してもかまいません。ただし応募多数の場合など、理事会・研究活動委員会にて調整・選定をさせていただく場合があります。どうかご了承ください。

・対象書籍:2023年1月1日~2024年12月31日に刊行された学会員の最初の著著(博士論文などを元とした単著に限る)
・報告時間:1人25分(予定)
・報告内容:内容紹介(自著の魅力・今後の課題など)と執筆プロセス(執筆の動機・苦労・工夫など)
・日程:日時は以下のとおりです。(全体の応募件数により時間は変更する可能性があります)

「自著を語る~MY FIRST BOOK」(Ⅰ) 2025年5月31日(土曜日)13時30分~16時00分
「自著を語る~MY FIRST BOOK」(Ⅱ) 2025年6月1日(日曜日)9時30分~12時00分

② 申し込み
(1)報告申し込み:大会ホームページに必要事項を入力し、要旨(テンプレートファイルは以下および大会ホームページからダウンロードできます)をアップロードの上、お申し込みください。報告タイトルのところに書誌情報(タイトル、出版社、出版年)をいれてください。
なお、申し込み後に受付確認の自動メールが送信されます。万が一、受信されなかった場合は研究活動委員会までお問い合わせください。
問い合わせ先
E-mail: 2023kansya(アットマーク)gmail.com
(2)申し込み締め切り:2025年3月7日(金)17時
(3)申し込み先:第76回大会ホームページ https://kansya2025.award-con.com/

「自著を語る――MY FIRST BOOK」」報告要旨テンプレート

なお、登壇の可否については4月上旬開催の理事会にて決定し連絡します。採用された場合には献本をお願いします(詳細は決定時に連絡します)。
本企画は、事前に司会者、研究活動委員と打ち合わせしつつ進めていきますので、ご協力をお願いいたします。
(4)申し込みにあわせて入会される場合
現在、非会員で第76回大会の「自著を語る~MY FIRST BOOK~」に申し込みをされる方は、入会していただく必要があります。関西社会学会ホームページに記載の入会申請ページ(https://clara-nacos.com/ksa/apply_for_membership)より、2025年3月7日(金)17時までにオンラインにて入会申請をしてください。
報告者には、後日『フォーラム現代社会学』に掲載するため、報告原稿の執筆をお願いしております。詳細は追って連絡いたします。
(5)その他
報告時に介助者を必要とされる場合には、申し込みの際にあわせてお知らせください。
報告時に担当編集者にも参加のお声がけをお願いしております。(編集者の参加は必須ではありません。)

(研究活動理事 髙谷幸・大山小夜)